都市の人口規模は、仕事の数や種類、そして時給水準に大きな影響を与えます。
特に日本の場合は「30万人未満」「50〜100万人」「100万人以上」「東京」の4つに分けて考えると、特徴が見えてきます。
1. 小都市(30万人未満)の限界
福島市や青森市など、人口30万人前後の都市は「住むには快適」ですが、仕事の面では限界があります。
- 求人の偏り
介護・警備・小売・飲食といった業種が中心で、製造業や公務員を除けば多様性に乏しい。 - 時給水準
最低賃金に近く、平均時給は900〜950円程度。
東京のアルバイト(1,200〜1,300円台)と比べると、同じ時間働いても月収で数万円の差が出る。 - 働き方の選択肢が少ない
スキマバイトや副業アプリは利用者が少なく、案件自体が成立しにくい。
👉 私自身、福島市で求人情報を見ると「介護か警備」の募集ばかりが目につきます。
事務や軽作業の求人は非常に少なく、「もし高齢期に仕事を探すなら選択肢はほとんどない」と感じるのが実感です。
2. 中規模都市(50〜100万人)の中途半端さ
新潟市(80万人)、熊本市(74万人)、岡山市(72万人)といった中規模都市では、職種の幅が広がります。
- 求人の数
専門職やサービス業の選択肢が増え、学生や若者にとってアルバイト先は豊富。 - 時給は頭打ち
しかし平均時給は依然として1,000円前後。
「選べるけれど稼げない」都市です。
👉 私も仙台や新潟の求人をチェックしたことがありますが、確かに福島よりは多様性がある。
ただし時給に関しては東京との差が歴然で、「働いて豊かになる」という感覚は持ちにくいのが現実です。
3. 大都市(100〜400万人)のメリット
仙台市(100万人)、札幌市(195万人)、福岡市(160万人)、横浜市(370万人)など、100万人を超える都市になると状況は一変します。
- 多様な求人
全国チェーン、外資系企業、金融、IT、物流など幅広い産業が揃う。 - 時給上昇
平均時給は1,100〜1,200円に上がり、都市部ならではの「高時給アルバイト」が目立ちます。 - 文化的魅力
コンサートやスポーツイベントなどがあり、仕事以外の楽しみも増える。
👉 実際に仙台へ行くと、街の雰囲気そのものが「働く場」としての厚みを持っています。
求人の数だけでなく、「この街なら仕事が見つかるだろう」という安心感があるのは福島にはない感覚です。
4. 東京(別格の存在)
東京23区は人口970万人、首都圏全体では3,700万人超。
他都市と比べること自体が難しい、世界都市です。
- 圧倒的な求人数
アルバイト求人だけでも他都市の数倍。 - 時給水準
平均1,300円前後。夜間や専門性のある仕事なら1,500円を超えることも。 - スキマバイト市場
アプリや副業マッチングが成立するのは、東京の厚みがあるからこそ。
👉 東京に行くと、駅の広告や求人誌の厚さに驚きます。
「仕事がありすぎて選べない」状況は、地方都市で暮らしていると想像もできません。
5. 比較表
区分 | 人口規模 | 平均時給 | 求人の特徴 | 代表都市 |
---|---|---|---|---|
小都市 | 〜30万人 | 900〜950円 | 求人数少なく偏りが大きい | 福島市、青森市 |
中規模都市 | 50〜100万人 | 1,000円前後 | 職種は増えるが賃金は頭打ち | 新潟市、熊本市 |
大都市 | 100〜400万人 | 1,100〜1,200円 | 多様な職種と高時給求人あり | 仙台市、札幌市、福岡市 |
東京 | 970万人〜 | 1,250〜1,350円 | 圧倒的な求人数と多様性 | 東京23区 |
一言まとめ
人口規模が小さい都市では「仕事がない」という実感が強まり、
50〜100万人都市でようやく選択肢が増えるが、賃金は頭打ち。
100万人を超える大都市で仕事の幅と賃金が上がり、東京は別格の存在。
👉 私自身の感覚でも「福島市は暮らすには快適だが、働く場所としては厳しい」。
逆に「東京は暮らすにはストレスが多いが、働く場所としては圧倒的」——この対比が、日本の都市の現実を表しています。
関連リンク
- 第1章:人口規模と仕事・時給 ― 小都市の限界と東京の別格性
- 第2章:都市規模と交通社会 ― 車社会から公共交通社会へ
- 第3章:福島市で暮らすリアル ― 快適さと経済的備え
- 総集編:人口規模と暮らしやすさ ― 3つの視点から考える日本の都市
コメント